操業が終わり、一度港に戻った。漁師さんにしても早くどうするか知りたいようだ。
そりゃそうだろう。近隣の水族館に連絡したとの電話が来たものの、期待した返事ではない。
大型の水族館にも声をかけてみたが、やはり現場の私たちにとって厳しい返事ばかりだ。
鳥羽水族館から直に連絡が入る。今回の確認は世界で39例目になるそうだ。状況を話すと
「行きたいのだけど・・・」と。そう簡単にこれる距離ではないですものね。
結局、博物館なども含めて引き取ろうという所が無かった・・・。正確に言えばその方法が
整えられなかったというべきか。そんな私たちに「一緒に朝飯食え」と獲れたての刺身を
用意してもらった。とっても美味しかったが「メガマウスどうしたらいいんだ」
という思いが気を重くする。現場では「下田の水族館の入り江に入れて飼えないのか?」
という人もいたが、現実的ではない。下田に入れてやりたいという気持ちもあるのだろう。
その気持ちに応えられないのもまた辛い。最終的に「できる限りの記録を取って放流する」
事に決定した。そう決定した以上、できることはやろう。
準備に、一度下田に戻ることとなった。
39例・・・。シーラカンスでさえ200体以上確認されているはず・・・
39という数字の意味はでかい。(H,A34浅川)