今朝、飼育室に「多タ戸浜でイルカが打ち上がってるって!」という
話が飛び込んできました。「さて、どうするか!?」私の頭の中は
この言葉で埋め尽くされました。なぜなら、生きていて保護が必要な
場合は水族館へ運び込み、治療を開始、続けることになります。
これが精神的にも肉体的にも凄く大変な仕事となるからです。
でも、そのへんはこの仕事が大好きな飼育スタッフ皆の力を合わせ
毎回乗り切っていますので、大きな問題ではありません。
最大の問題はそのイルカがなぜうち上がってしまったのかです。
その原因が伝染性のある重大な病気だった場合、水族館に居る
イルカ達にも危険が出てきてしまいます。でも、飼育員としては
助けたい・・・。
緊急事態ですからその場で判断しなくてはなりません。急いで現場へ
向かう準備をしている時に「死んでるってよ」と連絡が入りました・・・
正直、ホッとしたような残念のような複雑な気持ち。それでも現場へ
向かいました。情報では180センチくらいという話。
まだ子供のイルカだな、と思いながら現場に着くと、あれ・・・
デカイ(結局体長は310センチありました)。研究者に連絡を入れ、後日
解剖という事になったので一旦水族館へ運ぶ事に。これが大変大変。
推定300キロを、近くにいたサーファーの方達の力も借り、砂浜を
トラックまで担いで運びます。腰が砕けそう・・・。
今回のように、たとえ死んでいても、自然界のイルカを知る貴重な
データとなります。なぜ死に至ったのか?少しでも役に立つと幸いと考えます。
このような館外の調査活動も水族館の重要な仕事なんですね。
皆さん、たとえ死んでいても、見つけた時には近くの水族館まで連絡して下さい。
(H,A34浅川)